【西アフリカ⑩】ベナンの田舎町でホッとするひと時 旅の疲れを取る(ウィダー)
僕が泊まった安宿、Edelweiss Les Retrouvaillesのオーナー・イブさんはホテルの改装と集客に悩んでいると打ち明けてくれました。
ウェブサイトを開設することと看板を増やしてみては?とせん越ながら助言されてもらいました。
何より僕がここへ来たのもLonely Planetに載っていたからであり、この点をどうにか生かしてもらいたいものです。
広大な敷地内には、犬、猫、鳥、猿などいろいろな動物がいて楽しかったです。
会話を楽しんだあとは部屋でゆっくり過ごしました。
その後町へ歩き出します。
すぐ隣の小学校の壁に「Japon」と書かれていたので写真を撮ったら子どもたちに囲まれました。
立ち去ろうとしたらバイクに乗ったおじさんに呼び止められました。
おれを校内へ招待してくれるのかな?と思ったら「写真を撮るな」と怒られてしまいました。笑顔で謝罪しましたが、??なんでだろう。
その後、ぐんぐん町へ歩いていきます。ここは田舎町であり、観光客は皆無。そのせいか住民からの視線を痛いほど浴びます。なかなか慣れないものです。
僕がこの町に来たのは目的があります。それはある博物館です。
この海岸線には複数ありますが、やはり奴隷に関する博物館です。
このウィダーという町から海の向こうへ運ばれた奴隷たちは、ハイチやブラジルへ送られたそうです。
展示品はあまりなく、画と写真がメイン。
ここにもありました。「Point of No Return」。
オークションにかけられた奴隷たちは、木の周りを何周もさせられ、祖国の記憶を消そうとされたそうです。
そして3キロ先のこの海まで連行されたのだとか。
海は美しく、空と黄色い砂がパーフェクトにマッチしています。
ここのビーチにはモニュメントがあり、遠くから見るとキレイなのですが、近くで見ると奴隷たちの苦しみの表情が描かれていました。
バイクタクシーでホテルに戻った僕は、部屋で休んでから夕食をホテル内で食べることに。
魚を注文したらC'est tres bon!ご飯をおかわりしました。
部屋に戻っても仕方ないので敷地内を散歩します。ここは蚊が多い。
犬と戯れていると、従業員のひとりが話しかけてきました。
トーゴ人のコミ。少し英語を話す明るくて如才無い人でした。
ピーポーという犬と一緒に遊んだり、ここまでの旅の写真を見せていると突然の停電。
これはこれで楽しく、小一時間ほどランプの下で遊びました。
ここの犬は幸せだと思いました。広大な敷地で走り回り、好きなところで眠る。
それに飼い主は優しいときた。
僕は高校生の時に習ったフランス語を必死に思い出して、でもほとんど英語でコミと話しました。
よく覚えているのは、コミに「日本の写真を見せてほしい」と言われたこと。次回からの旅には用意しておこうと思った瞬間でした。
とにかく居心地の良かったこのホテル。もっと宿泊客が増えてほしい、と心底思える場所でした。
明日はベナンいちの街コトヌー(Cotonou)を目指します。
⑪へつづく。
【地図】