【番外編】ディープサウスを巡る(アラバマ州その2)
アラバマ州都・モンゴメリーから、州道80号線を西に走ること小一時間。セルマ(Selma)という小さな町に着きます。
思わず通り過ぎてしまいそうな南部の小さな町ですが、アメリカ史を語る上では非常に大きな意味を持つ名前です。
前回、「【番外編】ディープサウスを巡る(アラバマ州その1)」で紹介したように、ローザ・パークス氏の逮捕に端を発した黒人の公民権運動は勢いを増しました。
そのリーダー的立場にあったのはキング牧師。マハトマ・ガンディーの「非暴力・不服従」に感銘を受け、1965年、住民とともにここセルマからモンゴメリーまでの50マイルをデモ行進しました。前述の州道80号線は、デモに賛同した市民が実際に1週間かけて歩いた道です。
2014年には映画「Selma(邦題:グローリー/明日への行進)」が公開され、アカデミー賞やゴールデングローブ賞にもノミネートされました。
セルマは少しきな臭く、「コンサバな南部の町」ということで少々警戒して歩きます。なお、町自体は小さく下記の見どころは歩いて回れます。
「Blood Sunday(血の日曜日)」と呼ばれたデモ行進の出発点は、セルマ市内・住宅地内にあるBrown Chapel A.M.E. Churchというところ。キング牧師の銅像があるのですぐに分かると思います。
ここから徒歩5分で、Edmund Pettus Bridgeに着きます。デモ行進で最も象徴的な場所になっており、数多くの写真が残っています。
僕はこの橋を歩いて渡り、当然写真もパシャパシャ撮ったのですが、交通量が多いこの場所でアジア人が一人でカメラを構えているということで、少し緊張しました。
【小ネタ】
セルマから車で10分ほど走った郊外の墓地に、南北戦争時に南軍を指揮&後にKKKに崇められるネイサン・ベッドフォード・フォレスト将軍の碑があるそうです。僕は墓地内で探したのですが、結局見つけられませんでした。。。それにしても、なぜこの人の碑が黒人の黒歴史の象徴とも言えるこの町に建てられたのか…
次回は南部を代表する華やかな観光地・ニューオーリンズを紹介します。
【地図】